活用事例
2024.11.11
E-cat kit2を活用した新規開発事例①【株式会社タイショー様 石灰散布機 石灰ZEST ZQ-70自走式】
一輪車電動化キット E-cat kit2は、一輪車を始めさまざまな台車を電動化できるキットです。
E-cat kit2のインホイールモーターをソリューションとして活用することで多様な業界の専用機器に導入されています。
CuboRex製品を導入することで新規開発のコストや開発期間を大幅に削減が可能になります!
こちらの記事では、製品開発の動力としてE-cat kit2を導入いただいた企業様の事例インタビューをお届けします。
株式会社タイショー
開発部 係長 高野 恵輔様
石灰散布機 「石灰ZEST ZQ-70 自走式」 |
ー御社のサービス・事業について教えていただけますか
株式会社タイショーは、創業110年を迎える農業機械メーカーです。
肥料散布機や穀類輸送機など、主にお米に関する機械を製造しています。
ー今回E-cat kit2を導入していただいた「石灰ZEST ZQ-70」について教えてください
豚熱や鳥インフルエンザなどの疫病の発生を防ぐための電動石灰散布機です。
鳥インフルエンザは一度発生してしまうと一気に全体に広がるため被害が大きく、養鶏場によっては経営にも影響が出る大問題です。ですが防疫のための石灰散布は基本手作業で、労力や人件費がかさむ重労働でした。
そこで当社では従来人間の手作業で撒いていた石灰をより楽に、効率的に散布するために、
軽トラックに載せるタイプの石灰散布機「石灰ZEST ZR-110Y 」を開発しました。
こちらも好評を得ていましたが、ユーザー様から「自走できる、軽トラが入れない狭い場所でも楽に撒ける小型の石灰散布機」を望む声が多くありました。
そこで、人が操作できるように軽量小型の散布機を載せた電動台車を操作することで石灰を撒けるシステムの開発が始まりました。
ー石灰ZESTを開発するにあたり、課題はどんなものがありましたか?
散布を行う場所は鶏舎や豚舎に近く、動物を刺激しないようにするために動力をエンジンではなく電動のもので開発する必要がありました。ですが動力部分を1から自社で開発するには難しい状況で、思うように開発が進みませんでした。
ー新規製品の開発にE-cat kit2を導入した経緯を教えてください
そんな中、E-cat kitには2020年の農業系の展示会で出会いました。
当時はまだ防水などの機能が備わっていない現在の一つ前のモデルでしたが、
台車を後付けで電動化ができるという特性を利用し、弊社の製品を電動化することもできるのではと考えました。
E-cat kitはすでにモジュールとして製品化していたので、テスト用として試しに購入することも容易なこともあり、まずは試作品用に導入してみました。
ー実際に導入テストをしてみてどうでしたか?他社製品との比較などはされましたか?
実は当時のE-cat kitのモデルではタイヤのサイズやパワーに不足があり、テスト開発の結果当初は導入を見送る方針でした。
その後他社の4輪仕様の電動台車や海外製品など色々と試してみましたが、
上記のような理由もあり、なかなか採用に至るものを見つけることが難しい状況でした。
カスタマイズが容易なCuboRex製品であれば上記の課題を解決できると考え、再度相談したところ新たに石灰ZESTに合うものを開発していただくことになり、何度かの改良を経て現在のモデルを導入することになりました。
ー開発への導入の決め手はなんでしたか?
調達の柔軟性やレスポンスの速さが決め手になりました。
他社製品ですとそもそも動力のみの導入が難しかったり、海外からの輸入品のため入手が不安定だったりと不安材料が多かったのですが、Ecat kitはコントローラーやバッテリーなどの部品やタイヤ単品での購入も可能でしたし、柔軟に対応いただいたことが一番のポイントでした。
ー開発に関してのサポートや部材としての使い勝手はいかがでしたか?
フットワーク軽くご相談に乗っていただき助かりました。
当時はE-cat kitがまだ製品としても成長途中だったこともあり、説明書などの整備が不十分な部分もありましたが、形になるまでお付き合いいただきました。
また、カスタマイズのしやすさはもちろんのこと、コスト削減効果も大きかったです。
やはり動力の部分を自社で開発するのにはかける期間が膨大になり、コストもかなりかかります。
動力系を1から開発した場合と比べて、E-cat kit2そのものを利用することで70%以上の開発費削減になると考えます。
今回は前モデルから改良を重ねたので状況は異なりますがそれでもかなりのコストカットになりました。
ー製品を導入したユーザー様の反応はいかがですか?
現場のユーザー様からは、石灰散布作業を大幅に時間短縮、省力化できたと高評価をいただいています。
防疫期間は4~5ヶ月続き、その間は週に1回散布作業を行う必要があります。
従来はほうき等を使って手作業で行うことが多く、中には10人のスタッフで3日間撒き続けなければならない農場もあり、それを1日でたった1人で終わらせることができるのは大変画期的だとのお声もいただきました。
また、手作業よりも効率的に石灰を撒くことが可能なため、一度に使用する石灰の量も1/3程度削減することが可能になります。
散布機として使用しない時期は取り外して運搬用の電動台車として使用することも可能です。
売れ行きも大変好調で、昨年の製造分は販売開始から6ヶ月で完売、今期生産分も購入予約が入ってきている状況です。
ー御社の今後の展望をお聞かせいただけますか?
製品の展開としては、同じ技術を転用してソーラーパネルの下の除草剤散布や、歩道の融雪剤散布など、さまざまなソリューションに繋げていくことも検討しています。
企業としては今後もお客様の現場の人手不足の課題を解消できるような、現場に寄り添った機械を作り続けることを真摯にやっていきたいと考えています。
国をあげて農業の機械化やICT活用などのスマート農業を推し進めていますが、現場の皆さんにはまだまだ身近なものではありません。現場のベテランの方から新しいものを取り入れるのが得意な方まで、みなさんに魅力に感じていただけるような機械を作っていきたいです。
高野様、ありがとうございました!
CuboRexは今後も農業機械の進化に貢献してまいります。
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