シンプルな機構と制御で扱いやすいCuGo V3( https://cuborex.com/cugo )は、
ユニットでの販売をすることで自由度の高い設計を可能にする
不整地を得意としたクローラーです。

CuGo V3を利用したさまざまな移動ロボットが各地で活躍していますが、
もうちょっとあの辺をいい感じにしたいな、という要望は自他共に尽きません。
そんなことを考えながら工場内をうろついて今回目をつけたのがこちら、

の、ここです!

揺動機構。
4ユニットのCuGo V3がそれぞれ何かに乗り上げた時に全体の姿勢を
大きく崩さないように設計された機構です。
これがあることで障害物に乗り上げたユニットだけが前後に傾き
他のユニットの姿勢への影響を少なくします。

これを、4ユニットのCuGo V3を利用するネコソギマクンダーZではなく
2ユニットCuGo V3の最小構成に組み込んだらどうなるか、というのが今回やる試みです。

一口に組み込むといっても、2ユニットのCuGo V3に揺動機構を組む場合、
左右を繋ぐのは1本の棒になってしまう点がネコソギマクンダーZと決定的に違います。
それでは制御系のボックスを固定することができませんし、上に物を載せることもできません。


画力については目を瞑ってください。ああでもないこうでもないと悩むことしばらく。
これならひとまず形にできそうだぞ、となったのがこれです。




リンク機構の一種ですが、この機構を何というのか。

2つのCuGo V3の中間を軸として、
片側が上下するともう片側は逆の方向に上下するような動きをします。
上に乗っている箱は2つのCuGo V3の中間の角度になります。
ロッカーボギーの一部を切り取ったようなこの機構…
なんだろうなんだろうと調べているとロッカーリンク機構かなぁ、
という話になりました。
( 参考文献 https://www.mdpi.com/2076-3417/9/20/4410 )
もしそうではないよ、この機構は〇〇ですよ、と思った方は
TwitterなどでCuboRex公式アカウント( https://twitter.com/cuborex_info )や
この記事を執筆しているカワヅ( https://twitter.com/necobut )などに
優しく教えてくれると大変喜びます。
せっかく作ったのだから不整地やギャップなど、色々な場所を走ってみたので動画にまとめました。
作った側としてはとてもセクシーで「ああ、いいですねぇ」となるのですが、
これを見た皆様はいかがでしょうか。
この機構により、ギャップ乗り越え時に全体での姿勢変化が少なくなり
安定性が見込めめると同時に大小の振動も軽減されます。
昨今のアクションカムの手ぶれ補正と組み合わせて使用することにより
不整地車載動画撮影のクオリティアップにも効果があります。
また、乗り越えていない方のCuGo V3は浮き上がることが減るため走破力も上がると思われます。
こちらに関してはまだ比較検証がしきれていませんが、出来次第追記できたらと思っております。
この試作における現状での問題点は以下の通りです。
・上に物が載せられない

二つのCuGo V3を繋いでいるアルミフレーム直上だけは問題なく荷重をかけられるのですが、前側や後ろ側に荷重がかかった場合にリンク機構部分に負荷がかかり、それによる破損の可能性があります。
・ねじれ方向のストッパー未搭載

現在はフレーム同士が当たることで止まりますが、もう少しスマートにしてあげたいところです。
上記2点を解決できたらさほど高くない価格で改造キットにできる気がするのですが、
このカスタムにニーズがあるのかというのをはかりかねており、
現在販売を見据えた設計を進めるか迷っております。
これをご覧になった方でご興味ある方がおりましたら
「お前のことを待っていたんだ」
「この状態でいいから売って欲しい」
「100セット発注するから開発して欲しい」
「なんなら出資します」
「とりあえず見に行きたい」
などの声が届くことをお待ちしております。
機構の見学でのご来社も歓迎しておりますので、
ご興味の方はコンタクトいただけますと幸いです。