様々な不整地の足回りにCuGo活用開始

スマート農業での活用に大きな期待!除草、栗拾い、作物の成長観察、敷地内マップ制作…様々な不整地の足回りにCuGo活用開始

はじめに

農業ロボットの開発を数多く手掛ける東京大学大学院農学生命科学研究科生物・環境工学専攻海津裕准教授。これまでスマート農業を推進するため、農業機械の自動化や知能化に取り組んできました。現在開発を進める農業ロボット開発のためCuGo導入に至った背景、導入時に感じた点や使い心地、今後の展望についてお話お伺いしました。

CuGo活用ロボット開発の背景

現在4種類の農業ロボットでCuGoを活用したテスト機を開発しています。CuGoを利用し始めた最初のきっかけは、除草機ロボットの開発を開始したことでした。横浜で有機栽培の農家をしている友人から「除草が特に大変で、ロボットでなんとかならないか」いう話を聞き、除草ロボットの開発を始めました。

農家さんによると、畑の雑草の成長スピードは早く、雑草が大きくなる前に頻繁に草取りをしなければならないのがとても大変なのだそうです。全国に除草で苦労している農家の方々はたくさんいらっしゃり、どうにか自動化できないかと考えました。

ロボット技術を活用して農業の省力化、効率化、高品質化を進めることが私の専門領域です。このようなスマート農業において、農地のような不整地での安定走行は重要なポイントになります。畑は平らに見えますが、小さいロボットにとっては凸凹が大きく、安定して走るのは実は簡単ではありません。

これまで走行用クローラは軍事用、運搬用などはあったものの、手頃な値段で買えるものではなく、農地にぴったりくるプラットフォームがありませんでした。

特に今回除草したい場所は畝と畝の間の狭い通路だったため、不整地を問題なく走れることはもちろん、狭い通路でも走れること、自動走行できること、重たい雑草を乗せても安定して走れることが必要でした。

従来農業機械開発では動力にエンジンを使うことが主流でした。エンジンは馬力が強いものの、昨今のエネルギー環境の変化から農業分野でも電動化が進んでおり、省エネでの開発を心がける必要もありました。

このような背景から、電動で動く不整地に強い小型でかつパワフルなクローラを探し始めました。

CuGoの導入に至った理由

不整地向けクローラとして、シンプルでコストも抑えられ、カスタマイズをしやすかったこと、また走行性の高さが理由です。これまで利用していた不整地用のクローラは走行は良いものの、重たいモノを乗せた時の走行性に不安がありました。

広大な農地で雑草を乗せて運ぶには、重たいものを乗せても安定した走行性がポイントになった中、CuGoは耐荷重2ユニット100kgと人を乗せて運べるほどのスペックがあり、十分満足できるものでした。

実は以前所属する農業食料工学会で初期のCuGoを見た時は、凝った作りで素晴らしい一方、コストが高く、オーバースペックで導入を見送ったことがありました。その後シンプルかつ手頃な値段になったことで、これまでなかった不整地用の足回りプラットフォームが実用化に至り、今後農業ロボット分野における活用範囲が広いと考え、導入を決めました。

製品は2020年6月にCuGo V2を最初に購入し、2021年1月に研究のためにV1とV3も追加購入しました。V1のモーターはプーリーの軸が滑ってしまうことがあったり,クローラーが滑ってしまったりする問題がありましたが、V3は動力伝達がチェーンになり,プーリーの軸がキー溝固定となり,また,クローラの部分の形状が改良され、走行性能が向上しました。

 

CuGo導入時に感じた点

現在CuGoを活用して制作している農業ロボットは、小型除草機の他に、自動栗拾いロボット、品種開発中のとうもろこしの成長観察ロボット、果樹園内のマップ制作用自動走行ロボットの計4種類があります。これらはすべて自動走行を想定しています。

農業のスマート化を進めるロボットを複数開発中

テストが進んでいる小型除草機の開発についてですが、まず取り付けてみて体感したのは、CuGoは非常に丈夫だということです。実際テスト走行で重いものを乗せても安定した走りをしてくれました。

テスト走行する小型除草ロボット

 

一方、丈夫なため重量は1ユニット5.2kgと思ったよりはありました。難しいところだとは思いますが今後軽量化も進めば、さらに良いと思います。

また、自動走行型にする際の使い勝手も良かったです。自動走行には左右にふらつかず、直進性に優れ、安定して走ること,またターン時には素早く応答することが重要なのですが、CuGoはこれをすべてクリアしていました。

CuGo導入後の効果

除草機はV2を利用して現在テスト中です。今は特に仕事量(負荷)によって安全に動く範囲をテストをしています。負荷を掛けすぎてモーターリアボックスの修理が必要になりましたが、すぐに取り替え出来る点も良く、スピーディに開発できるようになりました。狭い畝の間も自動で除草可能な小型ロボットの実用化に期待を感じています。

その他のロボットはまだテスト前ですが、①自動栗拾いロボット、②品種改良中のとうもろこしの成長観察ロボット、③果樹園内のマップ制作用自動走行ロボットを開発しています。

どのロボットも不整地を走る必要があり、走行性が重要です。また①では小さいものを拾うため、②も品種により異なる葉っぱの角度を観察するため、小回りも重要になります。③はロボットの周囲360°を長時間撮影するため、バッテリーの持ちが重要です。

各農業ロボットの開発を通して、CuGoは走行性の高さ、小回りのしやすさの他に、重たいバッテリーも十分積載できる耐久性もあるため、汎用性が高いと感じました。

CuGoの活用で今後目指したいこと

まずは現在開発中の農業ロボットの実用化を目指しています。安定走行できるクローラのユニットが簡単に手に入るCuGoは、今後の農業ロボット活用範囲が広がったと感じており、その他にも今後必要とされる農業ロボットを開発していく予定です。

また、不整地産業において「作りたい者が作りたい物を作れる社会」を目指しているCuboRex社には、スマート農業の分野で必要とされる様々なユニットを今後製品化していただけることを期待しています。たとえば、CuGoでいえば前後に長いタイプ、軽量タイプなどもあると良いと思います。

また、CuGo以外にもモーター付きタイヤでステアリングするタイプも是非開発いただけたらと思っています。たとえば前輪がステアリングする電動タイヤで、後輪がCuGoであれば、操作性高くかつ安定走行可能になり、さらに農業ロボットの活用の幅が広がっていくと思います。今後の開発に大変期待しています。

ありがとうございました!

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