農作業者の追従による収穫サポートロボット!みかん農家の腰の負担軽減を目指してCuGoを活用

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はじめに

東京のロボットベンチャーで移動ロボットの開発研究を行う橋本さん(25歳)。大学院在学中のみかん農家の収穫を手伝った経験から、収穫サポートロボットを開発をし、現在も週末に開発とテストを進められています。今回開発する収穫ロボットに対してCuGo導入に至った背景、導入時に感じた点や使い心地、今後の展望についてお話お伺いしました。

CuGo活用ロボット開発の背景

CuGoを活用して開発したのは、みかん収穫時に、農作業者を追従してみかんを運搬する収穫サポートロボットです。

大学院在学中にみかんの収穫をお手伝いする機会があり、1週間くらい毎日てぼ(収穫したみかんを入れる籠)を肩にぶら下げながら、みかんを収穫していました。しかし私はもともとヘルニア持ちでこの作業が非常に辛く、大変な思いをしました。

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農家さんによると、農作業により腰がボロボロになる方は多く、腰痛をお持ちの方にとってはみかん収穫は大変な作業とのことでした。ひどい方だとヘルニアになり、収穫作業時代ができなくなった方もいらっしゃるとのことでした。

収穫作業は腰の大きな負担に

ヘルニアの心配を抱えならだと生活がしづらくなりますし、農家さんにとっては作業自体が出来ないとなると農家を続けるかどうかにも関わります。

こういう思いをしている農家さんは全国にたくさんおられることを知り、自分の好きなロボット開発で役に立てないかと考え、みかんの収穫や運搬の作業を人のかわりにする収穫サポートロボットを作ることを決めました。

CuGoの導入に至った理由

CuboRexとは自律走行型のイベントでCuboRexの方々と知り合ったのがきっかけです。CuboRex代表の寺嶋さんは私と同じように、みかん農家の収穫アルバイト経験から農家さんの収穫作業の負担を軽減できないかと考えて、ねこ車と呼ばれる作物の運搬用手押し車の電動化キット「E-cat kit」を開発したと聞き、農作業の負担の大きさを実感した人にとっては、これが改善すべき課題だと捉えられることが分かりました。

一方で農家さんの間では農作業の大変さは「当たり前のもの」として捉えられており、まだまだ改善できる範囲が広いと感じました。

農家の方にとって当たり前となっている「腰痛」から解放したいという想い

ロボットを開発しはじめるにあたっては、腰痛につながる作業を軽減することを一番の目標にしました。一番腰に負担になる作業は、もいだみかんを運ぶことです。そのため、運ぶ作業はすべてロボットに任せたいと考えました。ここから、作業者はもいだみかんをかごにいれるだけにし、ロボットがみかんの木を移動しても作業者をずっと追従してくれる仕様を考えました。

最初は研究開発用の移動ロボットで、お掃除ロボットのような丸形の車輪型のタイプを使っていたのですが、みかんの収穫サポートをする場合、特にみかんは傾斜地で作られていることが多く、不整地でかつ傾斜地でも走行可能なクローラが必要だと考えるようになりました。CuGoはそれにぴったりの製品でした。

初期開発時の収穫サポートロボット

当時は大学院生で資金もなかったため、寺嶋さんから研究開発用にと中古のものを頂き、開発を開始しました。

CuGo導入時に感じた点

カスタマイズのしやすさと開発期間の短縮を一番に実感じました。CuGoは作りがとてもシンプルで中身がいじりやすいため、やりたいことを実現するにはうってつけでした。1からクローラを作るには複雑ですし、既製品を改造する際には全部バラす必要がありますが、そういった手間もありません。

連結させるだけですぐに完成し、コア技術の追従装置に開発集中

仕上がっているものがあって、組み立てるだけで簡単に移動ロボットができ、追従機能などやりたいことをどんどん追加していけるような感覚でした。スピーディにできてとても満足しています。

また、開発の際はFacebookのユーザーコミュニティ「CuGo公開グループ」が大変役に立ちました。CuGoユーザーの方が質問や回答を投稿しあっているグループで、生の意見や実例を参考にしながら作れたため、イメージもわきやすかったです。

実際に収穫カゴを載せてテスト出来るまでに

実際に「バッテリーはどれを使ったらいいか」「どういった所で走行できるのか」「コントローラはどう作ればいいか」などを質問させて頂き、すぐに回答頂いていました。今は経験者として答える側にまわっています。

CuGo導入後の効果

収穫サポートロボットに常に人を追従してもらうようにするため、カメラを搭載し、カメラから得られた映像の中から常に赤色のものに追従するように設計しました。今回は赤色のビブスを使用し、赤色のものを身に着けた人を応用しています。

テストでは落花生畑やひまわり畑など色々な作物の農地で実験しました。

期待通りの安定した走りでとても良かったです。秋冬にはみかんの収穫も始まるので、傾斜地でも問題ないか等をテストしにいこうと思っています。

また課題も浮かび上がってきました。屋外では紫外線で赤が認識できなかったり、また作業中で人がよく動いている場合だと赤が認識できず、暴走する場合がありました。

今後は平地のテスト走行で判明した自動走行の課題解決へ

今後の改善策としては、①現在は赤色の物体が障害物や太陽の光の影響で見えなくなり、ロボットが追従をやめてしまう場合があるため、過去の時系列データから“追跡対象が次は何%の確率でこの辺りに来るだろう”という確率的な推定を行うことで赤色の検出精度を向上させる、②赤色検出だけで追従するのではなく、人検出を行い追従するの2つを考えています。

CuGoの活用で今後目指したいこと

CuGoを使ってやりたいことはたくさんあります。まずは先程挙げた収穫サポートロボットの追従精度を挙げていくことに取り組みたいと思っています。みかん以外の農作業の器具を持ち運んでもらったりするロボットも必要とされそうだと考えており、その開発もしてみたいです。

私自身は予定にありませんが、CuGoは段差を乗り越えることもできるので、災害ロボットなどにも応用できるのではと思っています。

草むらや段差も走破。その他農業ロボットへの応用も検討中。

今後の要望としては、さらなる軽量化や防水性が向上するとありがたいです。V1、V2を利用した際はモーターや導線のカバーが十分ではなく、少しの雨でも故障につながりそうだったため長時間の利用は控えていましたが、V3では防塵防水がip54程度に改善され、ちょっとした雨でも使える程度になりました。田んぼに入っても良いレベルになったら利用範囲が拡大されると思います。

また、個人的にはFacebookのユーザーグループ「CuGo公開グループ」に大変助けられ、開かれた勉強の場としてたことから、自動走行・自律走行ロボットを研究する皆さんとの技術交流会のオフライン交流会などがあるととてもぜひ開催してほしいです。

ありがとうございました!

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