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2023.09.12

SonicPadを使いこなすためのスライサーセッティング!!!

村上です。

こちらでは製造過程や研究開発の様子をお伝えしていきます。

 

CuboRexでは、研究開発過程や試作に3Dプリンターを多く用いています。

前回はSonic Padを用いてEnder-3 S1を動かすためのセッティングを行ってきました。今回はSonic Padの能力を最大限に、活用するためのスライサーの設定を行ってきたいと思います。

 

同じく研究開発職の方や、ものづくりの活動をされている方にぜひ参考にしていただけたらと思います。

 

概要

スライサーとは3Dデータ(.STL.OBJなど)3Dプリンターで実際に印刷する時に使うデータ(G-code)に変換するためのソフトウェアです。

 

このスライサーの設定をカスタマイズすることで、精度や印刷スピードを変更することができます。このカスタマイズは3Dプリンターの醍醐味とも言えるでしょう。

 

今回は3Dプリンターのスライサーとして有名なUltiMaker Cura (以降Cura )を使用してSonicPadの処理能力を最大限活用するためのCuraの設定を行い、印刷を比較していきたいと思います。

 

UltiMaker Cura


https://ultimaker.com/software/ultimaker-cura/

 

Curaは無料ソフトでありながら細かな設定や直感的なインターフェイス、盛んなコミュニティを持ち、多くの3Dプリンター使用者に使われています。

 

使用機器

名称

個数

Creality Ender-3 S1

1

Creality Sonic Pad

1

USBケーブル B to C

1

PC(macOS: 13.3.1)

1

 

Sonic Padを使用する際に適したCuraの設定について

Curaのダウンロード

https://ultimaker.com/software/ultimaker-cura/ から使用するOSに適しているものを選択し、ダウンロードを行います。

 

起動すると表記の違いなどがあるかもしれませんが、以下のような画面になるかと思います。

筆者は画面設定をダークモードにしているので背景色が異なります。


 

3Dプリンターの機種設定

1.      以下の画像のように“プリンターの追加を押し、UltiMakerプリンター”を選択します。

 

2.      非ネットワークプリンターの追加を押します。


3.      “Custom”から” Custom FFF printer” を選択します。

選択時にプリンターの名前を変更できますが、変更を行わなかった場合はCustom FFF printerで登録されます。


4.      プリンターの情報を入力します。

今回はEnder-3 S1を使用するので、以下の写真の通りに登録を行います。

 

 

G-codeの開始と終了には以下を入力します。

 

<G-codeの開始>

G90

G92 E0 ; Reset Extruder

G28 ; Home all axes BED_MESH_CALIBRATE

G1 Z2.0 F3000

G1 X5.1 Y20 Z0.3 F5000.0

G1 X5.1 Y200.0 Z0.3 F1500.0 E15 G1 X5.4 Y200.0 Z0.3 F5000.0

G1 X5.4 Y20 Z0.3 F1500.0 E30 G92 E0

G1 Z2.0 F3000

G1 X5 Y20 Z0.3 F5000.0

 

<G-codeの終了>

M140 S0

M104 S0

M106 S0

G91

G1 Z0.2 E-2 F2400

G1 X5 Y5 F3000

G1 Z10

G90

G1 X0 Y230

M84

 

5.      プリント設定を行います。

以下の画像の“ShowCustom”から詳細な設定を行います。


 

大きな変更として、スピードを以下のようにします。

また、今回はSonicPadを使用するため加速度を有効にするジャーク制御を有効にするは外しておきます。外すことで、加速度制御をSonicPadが処理してくれるため、無駄の無い印刷を実現することが出来ます。

 



スピード以外の項目はデフォルトやご自身の設定でも問題ありませんが、品質のレイヤー高さなどは印刷時間に大きく影響を及ぼすので注意が必要です。

今回は以下の設定で行っています。


6.      G-codeを生成し、印刷を行います。

3Dデータ(.STLなど)をファイルから選択し、スライスを押してG-codeを生成します。

 

7.      生成した G-code Sonic Pad に取り込みます。

ブラウザから取り込むと便利なので、今回はブラウザから行いたいと思います。
ブラウザから操作する場合はSonic Pad設定”→”ネットワーク設定”→”無線ネットワークで表示される IPをブラウザに打ち込む事で、PCからの操作が可能になります。

うまくいかない場合はSonic padPCが同じWi-Fiに接続されているかを確認してください。

 

G-codeを取り込む際は ブラウザの”File List”のプラスボタンから行い、読み込んだデータを右クリックで”print”を表示させ、押すことで印刷が開始します。


印刷時はブラウザからリアルタイムで印刷状況を確認することができ、印刷中止の場合は”CANCEL”、一時停止は”PAUSE”で行うことができます。

基本いじることはありませんが ”Spead”から印刷速度を変えなどの微調整も行えます。

 

実際の印刷結果

実際にSonicPadを用いてEnder-3 S1での印刷を比較しました。

比較対象は品質を合わせたCuraの設定ファイルと今回、Customで一から作った設定ファイルです。

 

まとめ

今回はSonicPadの能力を最大限活用するために、Curaの設定を行っていきました。

Customで一から設定を作ることや、加速度の選択を外すなどの工夫をする事で実際に印刷時間を大幅に減らすことができました。

次回はSonicPadで複数台のEnder-3 S1を運用するためのセッティングを行いたいと思います。

 

参考文献

https://ultimaker.com/software/ultimaker-cura/ 

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