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活用事例

2023.12.25

CuGoV3導入事例【自作オムニクローラ】

今回はCuGoシリーズの超ヘビーユーザーでもあり、CuboRexの古参学生アルバイトでもある古作さんにインタビューしました。

 

自宅には計10ユニットものCuGoを所有している古作さんに、ものづくりの経歴から最新の自作オムニクローラまで語っていただきました。

 

まずは自己紹介をお願いします。

アルバイトの古作です。元々高専ロボコンをやっていて、現在も学校の研究と個人の開発で移動機構の開発を行なっています。

2021年にCuboRexのSNSでアルバイトの募集を見て入社しました。

 

 

業務も含めCuGoを用いて様々なものを作られているかと思うのですが、最近作成したものを教えてください。

 

はい、趣味で開発した全方位に移動できる特殊なクローラである「オムニクローラ」です。

 高専時代に作っていたクローラに、ロボコンで使用していたオムニホイールのローラーをクローラに組み込めるのではないかと考えたのが開発の始まりでした。

オムニクローラとは、クローラに姿勢を変えずに全方位移動するオムニホイールの能力を組み込んだものです。 

 

前後だけではなく全方位に自由自在に動くのがすごいですよね、もう少し詳しく構造を教えてください。

 

全方位に動かすために、クローラ履帯を横滑りする構造にする必要があります。

そのためにオムニホイールの様なローラーを取り付けなければなりません。

 

ローラーの取り付けには複数の方法がありますが、私は履帯にワイヤを通し、ワイヤ自体を軸として利用する方法を採用しています。ローラーを組み付ける必要がないため工数を減らすことが可能です。

 

 

こちらがCuGo V3を用いたオムニクローラです。

 

 

機体は改造を施した4体のCuGo V3と、接地安定及び段差乗り上げを行うための機構、制御回路から構成されています。

CuGo V3には履帯の履板を独自の物に変える改造を施します。独自履板は3Dプリンタで造形した部品に2つのローラーを取り付けています。

 

ローラーは外周部がウレタンゴムで、パイプ状のものをPISCOのパイプカッタ刃を用いて任意の長さに切断しています。そして軸受け部は市販しているPOMスペーサーを使っています。 

中心が折れ曲がる構造をしており、ヒンジ部にはバネ付きのものを利用しています。この構造を十字に配置することで前後左右方向で段差を乗り上げることができます。 

 

 

制御システムはArduinoがベースの制御回路と自作モータドライバ、MC-8・ MR-8・ マイコンを用いたコントローラ、DC/DCコンバータの4種類を下記のように構成します。

 

 

制御手法は、通常のオムニホイールのものと同じです。

今後はモータに流れる電圧電流及び回転数を測定するセンサを搭載し、走行環境、積載重量によってモータ負荷の変化を測定できるようにしていきます。

 

オムニクローラの製作にCuGo V3を使用した利点はどのようなものでしたか?

 

1つ目は個体差が少ないことです。フィードバック制御をかけずとも安定して動作できます。

2つ目は履帯の改造が容易なことです。他のクローラ製品の大半が専用の履帯を使ってるのに対し、CuGo V3はチェーンに履板を取り付ける方式を採用しているため、簡単に望んだ構造を得ることができます。

 

実際に動作した様子

 

 

オムニクローラはこのように全方位移動できるため、姿勢を変えずにスラローム走行を行えたり、中央が折れ曲がることで段差も乗り越えることができます。 

今回はクローラそのものを制作することが目的でしたが、この活動は社会課題の解決につながると思ってやっています。

 

 

ロボットの活躍範囲は年々拡大しており、特に労働人口の低下が著しい第一次産業や建設業などではロボットの活躍に大きな期待が寄せられています。不整地環境でも制約なしに自由に移動できる機構を開発することはとても重要だと考えています。

今後も継続して研究開発と情報発信を続けていきたいです。



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 古作さん、ありがとうございました!

今回は、CuboRex学生アルバイトによるCuGo V3の活用事例をご紹介しました。

 

 

 

 

 

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