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2026.04.10

クローラーユニットの選び方:積載・環境・開発期間から考える

COLUMN

クローラーユニットの選び方:
積載・環境・開発期間から考える

「足回りだけで半年かかった」——ロボット開発の現場でよく聞く言葉です。クローラー機構を一から設計すると、試作だけで数ヶ月、コストも数百万円規模になることは珍しくありません。弊社のクローラーユニット製品はこの「足回り問題」を解消し、開発リソースをアプリケーション層に集中させるために生まれたプラットフォームです。

本記事では、クローラーユニットを選ぶ際に見るべき3つの軸を整理し、用途別の選定指針をお伝えします。


足回りをゼロから開発するとどうなるか

クローラー機構は、駆動系・サスペンション・防水・電源管理・制御インターフェースが密接に絡み合う複雑なサブシステムです。研究機関やスタートアップが自前で設計した場合、以下のような工程が発生します。

  • 機械設計・試作:2〜3ヶ月
  • モーター選定・ドライバ回路設計:1〜2ヶ月
  • 防水処理・環境試験:1ヶ月以上
  • 制御ソフトウェア実装・デバッグ:2〜3ヶ月

合計すると半年〜1年、費用は試作部品・外注加工・工数を含めると容易に数百万円を超えます。弊社のクローラーユニット製品はこれらをパッケージ化し、開発初日から走らせることを可能にします。

実際の問い合わせ事例:「クローラーユニットの購入と自律システムの研究開発を検討しています。各クローラーにエンコーダーを搭載したいと考えており、自律走行システムを想定しています」(大学研究室)——このような高度な要件にも、適切なモデル選定で即座に対応できます。

選定の3軸

軸① 積載重量

何を、どれだけ載せるか

センサー搭載の偵察ロボットと農業用搬送機では必要な積載が桁違いです。数十kgから350kgまで、用途別に最適モデルが変わります。

軸② 使用環境

どこで使うか

屋内の整地か、屋外の泥濘地か。防水等級(IP65)の有無は実運用で大きく効いてきます。サスペンションの有無も走行面の選択に直結します。

軸③ 開発・制御難易度

どこまでプログラムするか

プロポ操作だけで良いのか、ROSで制御したいのか、完全自律走行まで組むのか。必要な制御レイヤーによって選ぶべきモデルが決まります。

スペック比較表

モデル 積載重量 本体重量
(2unit+構造物)
防水 推奨用途
CuGo V3
2ユニット販売
80 kg 5.7 kg/unit 非対応 研究・プロトタイプ
屋内環境
CuGo V4
開発プラットフォーム
80 kg 6.5 kg/unit IP65 プログラム制御
自律走行・ROS連携
CuGo V4.5
近日公開予定
詳細は予約開始時に公開
MEGA M2 350 kg 約90 kg
(ベースキット)
IP64 農地・土木

※ V3iは現在発売停止中です。V3は2ユニット構成のみ販売。

内容物比較表

製品によって含まれるコンポーネントが異なります。何を自前で用意すべきかの確認にご活用ください。

コンポーネント V3 MEGA M2 V4 V4.5
(予定)
クローラユニット
エンコーダー ×
モータドライバ ×
ロボットコントローラ
(マイコン)
× ×

● 同梱 × 別途ご用意ください。V4.5の内容物は予約開始時に正式公開予定。

V3とV4の主な違い

CuGo V4はV3の後継機として、外部環境への適性が大幅に向上しています。

項目 CuGo V3 CuGo V4
防水性能 非対応 IP65
サスペンション なし あり
モーター ブラシ付き DC ブラシレス DC
エンコーダー 非対応 ホール素子内蔵
パッケージ内容(最上位) 走行機構+モータのみ 走行機構〜制御装置まで一式

MEGA M2:走行プラットフォームとしての完成度

MEGA M2は積載350kgを実現した大型クローラーユニットです。単なる「荷物を運ぶロボット」ではなく、十分な積載荷重と悪路走破性を備えた「走行プラットフォーム」として設計されています。ユーザー独自の機材やアタッチメントを載せることで、これまでにない新しい用途の製品をスピーディに開発・実装できる点が最大の強みです。

内部の機構配置を比較的容易に変更できる設計を採用しており、特殊なセンサーの追加や筐体形状の変更といったカスタマイズにも最小限の工数で対応可能です。既製品では解決できない現場固有の課題に「フィット」させられるため、競合製品との差別化が明確になります。

IP64防水・モータドライバ付きで走行システムとしてそのまま導入できます。通信インターフェースはRC信号(PWM)・RS232・CAN-busを備え、既存の制御システムとの接続が容易です。なお、ロボットコントローラ(マイコン)は別途ご用意いただく構成となります。

MEGA M2 主要スペック
積載重量 350 kg(2ユニット連結時)
本体重量(ベースキット) 約90 kg
ユニット重量 約30 kg
防塵・防水等級 IP64相当
最高速度 1.2 km/h
モーター ブラシレスDCモーター(400W)
電源 48V(バッテリー:48V/30Ah)
稼働時間 1〜2時間(走行環境・積載荷重により変動)
通信インターフェース RC信号(PWM)/ RS232 / CAN-bus
登坂能力 20度
乗り越え可能段差 16 cm

想定用途

建設・設備導入現場

エアコン室外機やソーラーパネルといった重量物の運搬・設置補助。人手が届きにくい現場での省力化に貢献します。

特殊メンテナンス・点検業

打検機や計測器を搭載した橋梁・インフラの自動点検。人が立ち入りにくい環境でも安定した走行が可能です。

地質・地盤調査

調査機材を積載した状態での不整地における自動サンプリングやデータ計測。悪路でも安定した走行性能を発揮します。

開発事例から見る「選択の分かれ目」

CuGo V4 推奨

橋梁・インフラ点検

小型・狭所での撮影・センシング。IP65防水と自律制御が必須。エンコーダー内蔵でオドメトリを自律走行に活用可能。ROS対応なのでSLAMやロボットアームとの組み合わせも容易。

MEGA M2 推奨

農地・土木作業

農地・土木現場での重量物搬送に最適。350kgの積載余裕が大型作業機のオプション拡張を可能にする。IP64防水で屋外の過酷な環境にも対応。

CuGo V4 推奨

農業追従・研究用途

屋外農場での実証にはIP65・サスペンション対応のV4が適する。軽量・高カスタマイズ性が求められるプロトタイプ段階にも対応。

制御レイヤー別の選び方

どのモデルを選ぶかは「どこまで制御したいか」でも変わります。

  • マイコンなどから制御:CuGo V3(2ユニット)+自前のモータドライバ・制御ソフト
  • マイコンなどから制御(ドライバ付き):CuGo V4(2ユニット+オリエンタルモーター製ドライバー)+自前の制御ソフト
  • 自律走行・ROS連携:CuGoV4 クローラロボット開発プラットフォーム。GitHubにSDKサンプルおよびROS制御パッケージを公開中。

自律走行プログラムの開発には CuGoV4 クローラロボット開発プラットフォームが最短経路です。制御基板・バッテリーまで一体化されており、USB接続でPCから即操作でき、GitHubの公開サンプルでスタートダッシュが切れます。

まとめ:迷ったらまずV4

大型・重量搬送が必要な場合はMEGA M2、超軽量構成での屋内研究ならV3(2ユニット)と棲み分けはありますが、屋外実証・自律走行・ROS連携を視野に入れるなら CuGo V4 クローラロボット開発プラットフォームが最初の一台として最も汎用的な選択肢です。

ロボットコントローラ内蔵・IP65・ブラシレスモーターという3点セットが、プロトタイプから実証実験まで広いフェーズをカバーします。

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